第11話

控え室の中、由幸は葵を睨みつけていた。

「夫の手綱も握れず、外の女にわしの祝宴を荒らさせるとはな」

由幸の低く沈んだ声が響く。

葵は硬いフローリングに正座していた。膝が割れるように痛み、胃が何度も痙攣を引き起こしている。

和也は傍らに立ち、ズボンのポケットに両手を突っ込んでいる。

寧々は和也の背後に隠れるように身を縮めた。

「お祖父様、葵さんを責めないでください。私が無理を言って和也についてきたんです」

寧々の甘ったるい声が響く。

由幸の鋭い視線が寧々を射抜いた。

「藤原家において、お前が口を挟む権利はない」

寧々は顔から血の気を引き、下唇を噛みしめた。

和也が眉をひそ...

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